
今回のパソコン工作は3Dプリンターを使ったネームプレートです!PowerPointとTINKERCADで簡単&シンプルな3Dモデル作成の入門としてお使いください!
角度を気にしなくていいので3Dモデルとしても簡単に作れますし、印刷時もサポート材の設定などが必要なく、3Dモデルの作成と3Dプリントの入門に非常にピッタリだと思います。
3Dプリンターがない場合、ラベルシールに印刷してステッカーなどのグッズのデザインとして印刷して使うこともできますよ!
やることの手順
手順としてはこんな感じです!
- パワーポイントの図形やアイコンを使ってネームプレートのデザインを作る
- svg形式で保存する
- TINKERCADで読み込む
- 読み込んだ図形に厚みをつける
- stl形式で保存して3Dプリンターで印刷!
やり方はどれも何のことかわからない方向けに丁寧に記載していますので、順番にやっていきましょう♪
用意するもの
3Dプリントする場合の材料
今回のものは「図形やアイコンを組み合わせてデザインを作る」ものになります。 作ったデザインを3Dモデルにする方法をご紹介しますが、3Dプリンターなんて身近にないよ!という方の方が多いと思いますので、その場合には色をつけてステッカーやアイロンプリントとしても作品にできますよ~。
3Dプリンターを使う場合の材料
- 3Dプリンター
- ひも
デザインとして他のものにする場合はこちらの記事をアイデアの参考にしてくださいね♪ 100均に売っているプレート風の木材にプリントするのもアリだと思います!
Officeのおすすめは2019以降
今回使用しているPowerPointは2021ですが、古いバージョンでもデザインだけ、図形だけであれば作ることができます。
ただ2019以前だとアイコンの使用や図形の枠線を手書き風にことや、SVG形式の保存ができない(3Dプリント用のモデルの作成はできない)ので、簡単・おしゃれに作りたい場合や3Dモデルの作成がしたい場合は2019、2021やOffice365の購入・使用をご検討ください!
作る前の準備
マウスのつかいかた
マウスを持つときのポイントは、
- 親指と薬指(小指)で挟み込み、手のひらで包むように持つこと
- 人差し指を左側、中指を右側に置くこと
- マウスの先端に指を置くこと
- できれば手首は机につけること
です。上手にマウスが持てると操作も上手にできるので、しっかり確認していきましょう!

【パソコンのきほん】マウスの操作の教え方【注意点いろいろ!】
子どもにパソコンの使い方を教えるとき、何はともあれとにかくマウスです。マウスの使い方を覚えることがパソコン操作の第一歩になります。…
【3Dモデルを作る場合】土台の形を決めておこう

ネームプレートにする場合、土台になる形を先に決めておく方がやりやすいです。
モデルはTINKERCADを使って作成するので、TINKERCADに慣れていない方は上の画像の形から土台を選ぶのがいいですよ!
上の画像の中から土台の形を決めた場合、すべてパワーポイントの図形の中にあるものなので、土台のイメージとして先に挿入しておくと作りやすいと思います。スライドマスターを使うと土台の図形をクリックしたり動かしたりせずに操作ができるので便利ですよ!
スライドマスターについてはコチラ↓

【PowerPointの基本③】図形や画像をクリックできないようにする!スライドマスターの使い方
作業中に動かしたくない図形や画像はありませんか?そんな時に便利なのがスライドマスターです!
【デザインを印刷して使う場合】スライドサイズの設定
3Dプリントをする場合はやらなくても大丈夫ですが、A4サイズなどの決まった用紙に印刷するためにはスライドサイズの設定が必要になります。
「デザイン」タブの「スライドのサイズ」を開き、A4サイズ印刷であれば「幅21cm、高さ29.7cm」と入力してください。
詳しくはこちらの記事で確認してくださいね!

【PowerPointの基本①】スライドサイズの変え方!A4サイズで印刷するには?
スライドを印刷に適した大きさにするためにはいくつか設定が必要だということをご存知ですか?思い通りに作品を印刷するために確認しましょう!
最終的にはこう
3Dモデルを作る場合

3Dプリントに使うので、図形の形だけあれば大丈夫です。図形に色を付ける必要はありません。
デザインを印刷して使う場合

図形に好きな色をつけて素敵なデザインを作りましょう!
名前のデザインを作ろう

まずは名前のデザインを決めましょう!
ローマ字、漢字、ひらがな、カタカナで名前や好きな言葉を入力しましょう。PowerPointに内蔵の日本語フォントの数は多くないですが、ローマ字を使う場合はいろんな文字の形(フォント)が選べますよ!
文字の入力をしよう

「挿入」タブから「テキストボックス」をクリックします。
マウスの形が白い矢印から黒い十字になるので、白い画面の中でクリックしたまま少し動かして離します。

てんてんの線でできた四角い枠が出てくればオッケーです。
てんてんの四角の中をダブルクリックすると、中で縦棒がチカチカ点滅します。こうなると「文字を入力できるよ~」の合図です。自分の名前はもちろん、家族の名前やペットの名前、好きな言葉を入力をしましょう!
文字が縦書きになってしまったり、枠の中で折り返してしまう場合は、枠の周りの白い丸を外側にドラッグして枠のサイズを大きくしましょう!
文字の形を変えよう
ここが「ネームプレート」を作る上での一番大事なところですね!
文字の形(フォント)を変えるために、まずは文字を入れた枠をクリックして、点線の枠からまっすぐな線の枠にしましょう。
枠の上にマウスを重ねると、マウスの白い矢印が黒い十字に変わるので、その時にクリックです!

このとき、文字の入った枠を画面の右側に寄せておくとフォントの変化が見やすいです。
ホームタブを開き、「フォント」と書いてある部分にある横長のボックスの右側にあるvをクリックします。
そうすると文字の種類がたくさん出てくるので、この中から文字の形を選びましょう。マウスの矢印を重ねるとどんな字になるか見られるので、いろいろな文字の形を試してみましょう!


フォント名が英語で書いてあるものは英語の形しか変わらないので、
日本語を使う場合はフォント名に漢字やひらがな・カタカナが入っているものを選びましょう!
文字を図形化しよう
文字を図形として扱えるようにします。デザインの場合はやらなくても大丈夫ですが、文字の大きさを図形と同じように変えられるのでやってあってもいいと思います。
3Dモデルを作成する場合は必ずやってください!
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まずは作った文字をコピーアンドペーストします。文字の周りの枠クリックし、点々からまっすぐの線にしておいてください。
その状態で、ホームタブからコピーアイコンをクリック、そのあとに隣の貼り付けのアイコンをクリックします。
作った文字が二つになったら、二つの文字を大きく囲うようにしてドラッグアンドドロップしてください。
ドラッグすると出てくる灰色の枠の中に二つの文字を入れるような感じです。

両方の文字が囲えると、両方の文字の周りに枠がつきます。その状態で、図形の書式タブから「配置」をクリック、「左右中央揃え(C)」をクリックします。
そうしたら、もう一度「配置」から今度は「上下中央揃え(M)」をクリックします。(どちらが先でも大丈夫です)
左右と上下の両方が揃えられると、二つの文字がピッタリ重なります。

そのままの状態で、今度は図形の書式タブの「図形の結合」をクリックし、開いたリストから一番上の「接合(U)」をクリック。これで二つの文字が一つになりました!
ここまでの操作で作った文字が「文字」から「図形」になったので、図形と同じように大きさを変えたりすることができます。
図形やアイコンで飾り付けよう
文字のデザインができたら、次は飾り付けをしましょう!
3Dプリント用の土台を表示している場合は、飾りが土台から大きくはみ出さないように気を付けましょう。少しならはみ出しても大丈夫です。
図形を使おう

図形を使う場合は、挿入タブの「図形」から好きな図形を選んでくださいね。
3Dプリント用ではなくデザインとして作る場合、図形の色の付け方については以下の記事を参考にしてください。

【PowerPointの基本②】図形の色の変え方!パターンやグラデーションなども
PowerPointは図形や画像を扱うことに長けたソフトです。挿入した図形や文字にかなり簡単にいろんなパターンの色を付けられることをご存知ですか?…
・直線のような「図形の塗りつぶし」ができない図形はTINKERCADで読み込めないので、直線を使いたい場合は四角を細く伸ばすなどして作ってください!
・図形同士を重ねると3Dモデル化するときに穴になってしまう場合があるので、図形同士はなるべく重ねないようにしてください!(わざと重ねて穴にするのはアリ✨)
アイコンを使おう

アイコンを使う場合は、挿入タブから「アイコン」をクリックします。図形の隣にありますよ!
好きなアイコンをクリックしてチェックをつけ、最後に「挿入」をクリックしましょう。
一度にたくさんのアイコンを選んで挿入すると、たくさんのアイコンが重なって出てきます。
一度何もないところをクリックして枠を消してあげる(選択を解除する)と一つずつ動かせるようになりますよ。
アイコンを図形化しよう
飾り付けが終わったら、文字と同じように図形もアイコン化して3Dモデルに使えるようにします。 先ほど文字にやったのと同じように、全体を大きくドラッグアンドドロップで囲います。 すべての図形やアイコン、文字に枠がついていればOKです!

うまく枠がついたら、グラフィック形式タブの「図形に変換」をクリックします。
もし図形の書式タブしか表示されない場合はやらなくてOKです。
アイコンを「図形に変換」するともじゃもじゃ~と細かいパーツにも枠がつきます。

その状態のまま、図形の書式タブから「グループ化」→「グループ化(G)」をクリック。
たくさんついていた枠が一つの大きな枠になりました!これでデザインの準備はOKです!
3Dモデルを作ろう
TINKERCADを準備しよう
ここからTINKERCADを使ってかんたんな3Dモデルを作成します。TINKERCADの利用にはメールアドレスによるユーザー登録が必要になりますが、簡単に3Dモデルの作成ができるので、3Dプリンターをお持ちの方もそうでない方もぜひ使ってみてくださいね!もちろん無料です。
TINKERCADの登録方法についてはこちらの記事を参照してください!

【子どもも楽しい3Dモデリング!】TINKERCADってどんなもの?【登録方法・ログイン方法も】
初めての3DCADにピッタリなTINKERCAD、ご家庭で使用する場合・学校で使用する場合の登録・ログイン方法をまとめました。
インポートの準備をしよう

出来上がった図形のグループをクリックし、「図として保存(S)…」をクリックします。

「ファイルの種類」は「SVG(*.svg)」を選択してください!
SVG形式で保存することで、TINKERCADの中でも図形として扱うことができます。
TINKERCADにインポートしよう
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TINKERCADを開き、3Dデザインを新規作成します。
画面右上にある「インポート」をクリックすると、シェイプをインポートのウィンドウが開きます。「ファイルを選択」から作成したSVGを選択します。

このままだとサイズが大きすぎるので、「スケール(%)」の欄の数字を小さくしましょう。100になっているのを10にするくらいでいいと思います。
作ったデザインが読み込まれました!
「一部の要素が削除されました」のような表示が出ますが、作成したデザインに問題がなければそのままで大丈夫です。
土台を作ろう
ここからはTINKERCADの基本的な操作が必要になってくるので、なるべくわかりやすいように説明はしていますが、こちらの記事も参考にしてくださいね!

【子どもも楽しい3Dモデリング!】TINKERCADの使い方
TINKERCADの具体的な操作方法をまとめました!初めて触れる3DCADにピッタリのTINKERCAD、上手に操作するためのいろいろなコツをご紹介します!

こちらのKAZUMAさんのネームプレートは丸い土台にくっつけることを想定して作成したので、丸い土台を作ってあげましょう。
まずは作業がしやすいようにカメラを上の位置にします。画面左上にあるキューブの「上」と書いてある部分をクリックすると上から見た状態になりますよ。
ついでに作業しやすいようにフラットビューに切り替えておきましょう。キューブの列の一番下にあるs四角いアイコンをクリックするとフラットビューに切り替わります。

ひとまず大きさを調整します。後からでも変えることはできるので、大体でOKです。
デザインをクリックすると出てくる枠の白い四角をクリックすると、縦横の大きさが表示されます。(初期設定では単位はミリメートルです)
この数字が使用する3Dプリンターの造形サイズよりも小さくなるようにしましょう!
白い四角をドラッグアンドドロップすると大きさが変えられます。shiftキーを押したままドラッグすると縦横比を変えずに大きく・小さくすることができますよ!

デザインを小さくできたら、今度は右側の図形を見てみましょう。この中から土台にする図形を選んでクリックします。
今回は丸い土台なので円柱を使います。
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円柱をクリックしたら、画面内にマウスを持っていきます。透明な円柱がマウスについてくるので、ほどよいところでクリックして円柱を出します。パワーポイントで図形を動かすのと同じ要領で、デザインを覆うように大きさを調整してください。
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先ほどのキューブの下をクリックして前からのカメラに切り替えましょう。
土台・デザインそれぞれの図形をクリックすると真ん中に白い四角が出てくるので、それをクリックして高さを調整します。(白い四角が出てこない場合はカメラを少し動かしてください)
見本では土台の高さを5mm、デザインを10mmにしてみました。

上から見た図です。もうほとんど完成ですね!
穴を開けよう
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あとはひもを通すための穴を開けていきます。右側にある図形からグレーの縞模様の円柱をクリックします。
適当なところにひもを通すための穴を置きます。高さは気にしなくて大丈夫です。二か所でも一か所でも思った通りに作ってくださいね!
あと、ひもが通る大きさの穴になっているかどうかは気にして作ってくださいね笑
ひも用以外に穴を開けても楽しいデザインになっていいと思います♪
穴の図形が小さくて動かしにくい場合は、
カメラをズームしたり、キーボードの矢印キーで図形を動かしたりするといいですよ! |
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穴の配置ができたら、パワーポイントと同じように全体を大きくドラッグアンドドロップして囲います。
その状態で、右上にあるグループ化のアイコンをクリックします。以上でネームプレートの3Dモデルの完成です!
モデルを保存しよう

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後は印刷のために保存するだけです!
画面右上の「エクスポート」をクリックし、保存の形式を選択します。
普通の3Dプリンターなら.STLでいいと思います。カラー印刷のできる3Dプリンターの場合は.OBJを使ってもいいと思います。
データの作成はこれで終了です!お疲れさまでした!
よくがんばりました!
あとは3Dプリンターにお任せだね! |
がんばったーーーーー
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おうちに3Dプリンターがない場合
お近くのカインズ工房で借りられるかもしれません!
詳しくはカインズ工房のホームページで確認してくださいね。
カインズ工房 | CAINZ DIY Style カインズDIY総合サイト
3Dプリンターを購入する場合
お子さんと一緒に使うための3Dプリンターの選び方を記事にしました。ぜひ参考にしてください!

子どもと使える3Dプリンターが欲しい!選び方のポイントは?
家庭用に安価な3Dプリンターが市場に出てきたこともあり、お子さんのためにプリンターを購入するご家庭も増えてきています。小学生だとまだ設定に大人の助けが必要かもしれませんが…